丈夫な芝草で費用削減

健康な芝生を育てる決め手はケイ酸です

芝草はイネと同じイネ科で、成長するのに多量のケイ酸を必要とするケイ酸植物です。
ケイ酸の水田における施用効果は古くから知られており、イネに対するその生理作用の多くはすでに明らかにされています。

ケイ酸の芝草に及ぼす影響はイネと同様に大きいのですが、これまで芝草に対するケイ酸の施用が注目されることはありませんでした。その大きな理由はケイ酸が土壌から天然供給され、これを補給する必要がないと思われていたからです。

ところが、近年はゴルフ場のグリーンは砂を主体として造成されるようになっており、砂に含まれるケイ酸は不溶性であることから、芝草が吸収することが 出来ないのです。サンドグリーン等へのケイ酸施用が注目される理由です。

なるべく農薬を使わない為に

二酸化ケイ素(ケイ酸)は農薬でも肥料でもありません。然しその効果は学術的に見ると、作物の表面構造、酵素活性、病虫害抵抗性、水分欠乏耐性、塩類過剰抵抗性、冷害抵抗性などが挙げられます。

二酸化ケイ素は、ケイ素、酸素、水素の化合物で土壌中に60~80%含まれている安全で動物・植物に不可欠とされる微量要素です。シリカゲルは、99%以上のケイ酸分を含み水の中での成分溶出のパターンはめざましいものがあります。土壌も多くのケイ酸分を含みますがシリカゲルはその6~8倍ものケイ酸を溶出しますし、ケイ酸以外のアルカリ成分を含まないので、大変使いやすい資材です。

芝の茎葉に集積したシリカは、出葉角度を小さくして太陽光を受け止める姿勢を作り光合成を盛んにします。その結果体内窒素の過剰害を低下させることで耐病性向上につなげています。葉では細胞壁直下にゲル化した状態を保って、太陽光が弱い時にシリカレンズを働かせ、太陽光が強過ぎる時にはこのレンズを隠すように調整し、余分な蒸散も防ぎます。また茎葉の軟弱化を防止し更なる耐病性を向上させます。対虫害性におけるケイ酸成分の寄与という事では、昆虫類の本能、嗜好性として、強固でない組織を好むと言う事があります。表皮組織を硬く出来ると云う事は虫の好みに反する事です。昆虫のメスが産卵する時は、自分の好みの草や野菜に必ず卵を産み付けます。昆虫はその作物が栄養過多、特にケイ酸が少なく窒素が多いというような事を鋭く見抜く能力を持っていると言われています。
近年、グリーンや畑地では植物によるケイ酸の持ち出しによるシリカ不足が顕著となり、各種病害虫発生の懸念が高まっております。イネのいもち病の実験では、ケイ酸を十分与えたイネに、いもち病菌を接種すると、菌が侵入したというシグナルを全身に発し、侵入部位に集積します。細胞自ら「過敏感反応死」による抵抗反応で、病原菌が侵入した細胞が能動的に死に至ります。そして「過敏感細胞死」を起こした細胞周辺には「ファイトアレキシン」と呼ばれる物質が蓄積される事が明らかとなっております。

過敏感反応死した細胞にケイ素が集積している現実から推測すると、ケイ素は特異な動きをするようです。
またキュウリ、マスクメロン、イチゴ、バラ等のうどん粉病抑制にも、抗菌性物質である「ファイトアレキシン」誘導にも関与していることも明らかになっています。

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